『奪えるもんなら奪ってみろよ』



アメリカに着いて、聞いた蓮からの留守電。



………ムカつくなぁ。



余裕たっぷりな言い方。
絶対的な自信。



「むぅ…」

「海?どうした?」



東吾が僕の顔を覗き込んできた。



「蓮がムカつく」

「は?」



僕は蓮からの留守電を聞かせた。


「ね?」

「どうだろうな」


東吾が小さく笑った。



「何?」

「蓮、余裕たっぷりな筈はないと思うけどな。」

「?」

「今にわかる」


頭を傾げる。


この留守電からは余裕しか感じられなかったよ?



「うみー!とーごっ!早くー!」



はしゃいでるひかりんを見て少し呆れてるように東吾が歩いていく



「海もっ!」

「うんっ」



でもさ蓮。
今だけはひかりんの笑顔は僕達だけのだからね。