「蓮様、奥様が…」

「わかってる、」



素肌に白いシャツを羽織る。


寝覚めの悪い朝。



なのに窓から射し込む光は
明るい。



目を細め、窓から景色を眺めた



時間は七時半。
まだあいつは寝てる。


あと十五分ぐらいで焦って起きて朝飯を急いで食って学校に行く。



「女々しいな、」



離れてからも消えることのない
あいつの存在。



忘れなきゃやってけねぇ、
わかってんのに。



消えるどころか強く強く俺の中に居続ける。




「光」




あの時



あの抱き締めた時



俺達を遮ってたのは薄いカーテンだけだったのに



それを振り払うことさえもできなかった。



「…………っ」



本当はちゃんとあいつを
感じたかった。


あいつの顔を

あいつの動作を

あいつの気持ちを