ヘリコプターの中では、ずっと海に質問され続けた。



蓮が止めに入ってくれたんだけど





「…海、うるせぇよ。こいつ馬鹿なんだから、そんな続けて質問されたら頭、沸騰すんだろ」




……あれ?




「…それって庇ってくれてるんだよね?」

「……は?」

「え?違うの?もしかしてけなしてるとかっ?それだったら…」


拳を振るフリをしてみた。

久しぶりだな、これ


「よし、光。もう、大丈夫だ」


ヘリコプターの中にあった救急セットで怪我の手当てをしてくれていた東吾が顔を上げて、ぽんぽんと撫でてくる。


「ありがとう!東吾っ」


よし!あたし、もう元気!
いつでも戦えます!


ファイティングポーズのまま、静止する。


…所詮、蓮には意味ないけど


蓮がそれを見てか吹き出した。


「…庇ってやってるけど?」

「あ!そうなんだっありがとう」




ここまでは蓮の機嫌もよかったんだけどな……

次の海の一言で平和な空中散歩(?)は終わってしまったわけで。