だから今のところは手をだせないでいた。



だけどそれも限界に近い。

そもそも俺にそんなの出す時点で間違ってっし、俺がそんなの守るわけねぇっつーの。





これを俗に“欲求不満”と言うんだろう。




つーか俺ってもう気持ち言ったし



……最悪な形でだけど




でもそれをこいつは冗談だと思ってるらしいし、





…こいつ次第だな




それなら押しまくるしかなくね?





くすり、と笑う。



それを見てあいつが固まる。




「れ……蓮、何考えてんの」

「…さぁな」


そして少し屈み、あいつの涙を指ですくってやった。




「れ……」


それから頬に唇を落とす。




「れ……っ!?」



あいつの怒鳴り声が聞こえても気にしない。




久々のキスは涙の味がした。