「う……そだ…ぁ」

「嘘なんかじゃねぇよ」



あいつが急に立ち上がる。



「……かえ…る…っ」

「光」

「しばらく離れる…っ」



そういって走っていった。




「………くそっ………」




今追い掛けてもなんにもならねぇ




「………俺にどうしろっつーんだよ…」





“離れたい”


そうあいつは言った。


はっきりと伝えられた拒絶は深く深く俺を抉る。



自分の中で何かが壊れた気がした




それが壊れた瞬間に溢れてきたのは何故か怒りで。




「……俺は離れたくねぇんだよ」




大切ななんかが


失われた


そんな気がした。