壁に無数の亀裂がはしる。




「海堂くん!何し…」

見知らぬ教師がこっちへ走ってくる。



「黙れ」

「……ひっ…」



一睨みし教室とは反対方向へ向かう。



「……サボる」


心の苛立ちを抑えられない。




「やばいね、東吾…」


蓮の後ろ姿を見て、そう呟く。


「あぁ。かなりイラついてる」

「あのこに頼みますかっ」

「それしかなさそうだ」






屋上へ向かう間も苛立ちがおさまる気配がない。




駄々をこねるガキのようだ、なんてわかってた。



ただ

なんであいつが

俺を避けるのかが

わからない