さっきまでの明るさはどこに行ったのか



こいつのことだから、海達に気付かれたくないとかだと思って我慢していたんだろうけど



「どこだよ」

「…………。」


言いたいけど言えない、そんな顔をしてる



俺はそれで直感的に察した。



「婆さんのとこか」


こくり、とあいつがゆっくり頷く



「行けんのか」


非難とかではなくて



あの時あんなに泣いていたのに大丈夫なのか、そうゆう意味だった




「弱くなりたくないの」

小さいけど強い意志を感じさせる声が凛と響く。




「おばあちゃんに会ってあたしどんな風になるかわかんない。


だけど……っ進みたいからっ…」

強い意志がこもった瞳で俺を見上げるその姿だけで十分強い、と思った。