HONEY★HONEY☆LOVER





鷲野……嘘ならもっとましな嘘つけよ……



それに気付かないこいつもこいつだけどな、と隣にいる馬鹿を見てため息一つ。




「蓮、エレベーター乗ろっ!」


ガキみたいにはしゃぐあいつ。


「てめぇは階段でいけ」

「さ…最上階までっ!?無理だよ!」


つっこむとこ、そこなのかよ…


「チャレンジ精神が大事だろ」

「それとこれとは違ーうっ!」



ほんと馬鹿な奴。



でも

二人で住むのを

楽しみ、だとは……


またもや零れる大きなため息。


どこまで鈍いんだよ…




俺、理性保てねぇかも…






「「………………」」

エレベーターに乗った途端、静かになる。


エレベーター内で二人っきり。近くにいるとこいつのシャンプーらしき香りがする。


そんな状況でも無防備なあいつ



ちょっとからかってやるか…




「おい」

壁に手をつきながら、呼び掛ける

「ん?何っ?」

振り返った瞬間、


ガタンッ


あいつを壁におしつけた。


「!」

「ちょっとぐらい危機感持たねぇ?」

「危機感?なんでっ?てかどいてよー!」

「やだ」

「な……!」




少しだけ身の危険を感じたのかあいつが焦った顔をする。



「この体勢なら俺なんでもできるんけど…?」