……………あれ?


ちょっと待って


あ、と声を洩らす。

「あたし蓮と二人っきりで暮らすの?」

「あぁ」

「ふーん、楽しみだねっ!」

「は?」


鼻歌を歌ってるあたしを蓮は訝しげに覗き込む。


「ん?何?」

「いや…別に」

「着きましたよ」


さすが!豪華な車は目的地に着くのも早い!



またもや豪華な光景が目の前に広がる。


立派なマンションだなぁ。


「何階?」

「最上階」

「最上階っ!?」


すごーい……



「あ、鷲野さんも一緒に住むんですよね?」

「いえいえっ!」


は、と蓮は鷲野さんを見やる。


「は?鷲野、用事あんのかよ」

「とても遠い所まで用事がありまして…帰ってくるのは一週間後です!」

「じゃぁちょうどダメですね…」


一週間後なら、もう帰ってるもん残念だな…


「それではお二人とも、ごゆっくりなさって下さいね」


そう言って車は走り去っていった



「よし!中はいろ?」

「……あぁ」



この時あたしは気付かなかった


この悪魔…じゃない変態魔王の策略に…