車にのりこむと中も豪華で、感動した。



「人が一人、二人住めそうだね」

「車に住む奴なんかいるわけねぇだろ」


はっ、と馬鹿にしたように鼻を鳴らす蓮。

いつものことだけど!腹立つ!


「いるかもしんないじゃん!」

「そんなのお前だけだ」



こいつは………っ!




「あ!そうだ!あたし、蓮のお父さんとお義母さんにも挨拶しなきゃ!」


大事なこと忘れてた!と手を叩くと、車内の空気が少し固くなる。




あ……れ…………?




「俺一人暮らし」

「え?」

「旦那様は蓮様と住むことに賛成だったのですが奥様が反対なさり蓮様はお一人で暮らされているのです」


そこにも蓮の過去が見え隠れしていた。


「そうなんだ…」

「鷲野が俺が家にいない間管理してくれてるわけ」

「私は蓮様に仕えておりますから。」

朗らかに笑う鷲野さん。

「海堂家に暇だされんぞ」

「それでもようございます。」


鷲野さんが運転しながらミラーごしに蓮を優しい目で見ていた。