無防備に僕の前で笑う彼女



蓮が落ち着いていられないのも わかる





こんなことが起きるのは

計算外だったから

どう反応したらいいかわからない





「あ、あとっ」


彼女は自分自身を指差して、頭を傾ける。

「あたしのこと光って呼んでね」




計算外尽くしだ




「蓮はもう‘お前’で
定着しちゃってるし……、海は ひかりんだし、
友達は光なのに東吾は何とも  呼んでくんないから」


拗ねたような顔をする彼女は……





「ひ…か…りっ!」

「光」

「やったぁ!」




鼓動がはやくなる




「あ!蓮いた!
じゃ、東吾っ!!また後でっ」


そういって走っていった。



計算外のこの出来事



計算外のこの思い



なにもかもが計算外だから



これについては



追究するのは



やめてみよう、と思う。