(あの浅葱色の羽織に、袖口にある白抜きの段だら模様……壬生浪士組か)
間近でみる壬生浪士組は6人程だった。“あの”浅葱色の羽織を着ているということは、恐らく昼の巡察中か何かだったのだろう。
興味が湧いた光は、玲瓏とした自分自身の目を細め、隊士一人ひとりの能力をさり気なく分析する。そして、そこから壬生浪士組の力を予想するに至る。
速度、視線、表情、反射、覇気……。
全ての要因から、ほとんどの隊士は実戦で使えない程度だという判断を下した。
殆どの隊士が、まだ実践を経験していないに違いない。彼ら隊士たちが知るのは、綺麗な剣道のみに違いないという仮定までをする。
だが、ただ一人。
先頭を歩く美麗な男だけが、後ろを歩く隊士とは他とは明らかに違った。異様な威圧感を放ち、まるでその眼は――、
人を斬ることを知っている。
強い。あの男は、強い。
咄嗟に危険を感じた光の右手は、腰に下げた無銘の太刀の柄に。そして、左手は脇差しの柄に触れようとした。
間近でみる壬生浪士組は6人程だった。“あの”浅葱色の羽織を着ているということは、恐らく昼の巡察中か何かだったのだろう。
興味が湧いた光は、玲瓏とした自分自身の目を細め、隊士一人ひとりの能力をさり気なく分析する。そして、そこから壬生浪士組の力を予想するに至る。
速度、視線、表情、反射、覇気……。
全ての要因から、ほとんどの隊士は実戦で使えない程度だという判断を下した。
殆どの隊士が、まだ実践を経験していないに違いない。彼ら隊士たちが知るのは、綺麗な剣道のみに違いないという仮定までをする。
だが、ただ一人。
先頭を歩く美麗な男だけが、後ろを歩く隊士とは他とは明らかに違った。異様な威圧感を放ち、まるでその眼は――、
人を斬ることを知っている。
強い。あの男は、強い。
咄嗟に危険を感じた光の右手は、腰に下げた無銘の太刀の柄に。そして、左手は脇差しの柄に触れようとした。



