「……ッ……」
逃げられない。そして、仮に受け止められたとしても、力の入っていない防御では、次こそ力負けしてしまうからだ。
光は、僅かに逡巡して覚悟を決めた。
そして、道場は沈黙に包まれる。
息を呑む音、高鳴る心臓の鼓動が聞こえてしまうかもしれない程、静かに。
カラン。
手から落ちた木刀が、乾いた高い音を出して床に転がる。重量はあるはずなのに、妙に虚しい音であった。
逃げられない。そして、仮に受け止められたとしても、力の入っていない防御では、次こそ力負けしてしまうからだ。
光は、僅かに逡巡して覚悟を決めた。
そして、道場は沈黙に包まれる。
息を呑む音、高鳴る心臓の鼓動が聞こえてしまうかもしれない程、静かに。
カラン。
手から落ちた木刀が、乾いた高い音を出して床に転がる。重量はあるはずなのに、妙に虚しい音であった。



