「くッ……」
「刀が軽い」
不安定な鍔迫り合いを征し、木刀を押し切ったのは、右手一本で光の木刀を弾き返した沖田であった。
(柔な外見の割に、力が強すぎる。
流石は……壬生狼の天才剣士!)
内心で舌を巻いた光。早々に、これ以上の鍔迫り合いは、手首を痛めるだけと判断し、即座に力を受け流す。
そして、その反動の力を利用して、一気に沖田の懐に入り込んだ。
刀を振るえないくらい近くに入り込み、顎に手刀を入れようと、左手に木刀を持ち替える。代わりに右手が刀の形を取り、力が入っていく。
もし上手く顎に当たれば、その衝撃で軽めの脳震盪を起こすことができる――。そこまで考えると、光はふとあることに気付いた。
(いや待て……!
これは剣術の勝負。体術は駄目だ!)
沖田は剣士。体の動きから考えて、体術は身に付けていないように思われる。そのため、どうすればよいのか逡巡した。
「刀が軽い」
不安定な鍔迫り合いを征し、木刀を押し切ったのは、右手一本で光の木刀を弾き返した沖田であった。
(柔な外見の割に、力が強すぎる。
流石は……壬生狼の天才剣士!)
内心で舌を巻いた光。早々に、これ以上の鍔迫り合いは、手首を痛めるだけと判断し、即座に力を受け流す。
そして、その反動の力を利用して、一気に沖田の懐に入り込んだ。
刀を振るえないくらい近くに入り込み、顎に手刀を入れようと、左手に木刀を持ち替える。代わりに右手が刀の形を取り、力が入っていく。
もし上手く顎に当たれば、その衝撃で軽めの脳震盪を起こすことができる――。そこまで考えると、光はふとあることに気付いた。
(いや待て……!
これは剣術の勝負。体術は駄目だ!)
沖田は剣士。体の動きから考えて、体術は身に付けていないように思われる。そのため、どうすればよいのか逡巡した。



