「黙りやがれ!」
土方副長と呼ばれた美丈夫が一喝すると、道場の中は先程のように、物音一つなく静まり返った。
だが先程と違うのは、非難する雰囲気が消えて無くなった事。
「総司が勝てばいい話だろうが。それともてめえらは、組一番の剣士が負けると思ってんのか?」
乱暴な口調でそう言い放てば、隊士たちは納得して見守る形に落ち着いた。
流石、この壬生浪士組を纏める副長と言ったところだろうか。光は興味深げに土方を見つめていたが、首を振って、再び不敵な笑みを唇に滲ませた。
「では……沖田さん。木刀にしましょう」
「……いいのですか?」
息を呑んで躊躇する沖田は正しい。木刀は竹刀よりも遥かに硬く、真剣には及ばないが、かなりの重さがある。急所に当たれば、怪我では済まない場合もあるのだ。
しかし、光はお互いが同じくらいの手練れだと感じていたため、木刀でもいいだろうと判断したのだ。
「ええ勿論」
光の返答を聞いた瞬間、沖田はスッと眼光を鋭いものにした。
近くにあった二本の木刀の内、一本を投げて寄越す。
土方副長と呼ばれた美丈夫が一喝すると、道場の中は先程のように、物音一つなく静まり返った。
だが先程と違うのは、非難する雰囲気が消えて無くなった事。
「総司が勝てばいい話だろうが。それともてめえらは、組一番の剣士が負けると思ってんのか?」
乱暴な口調でそう言い放てば、隊士たちは納得して見守る形に落ち着いた。
流石、この壬生浪士組を纏める副長と言ったところだろうか。光は興味深げに土方を見つめていたが、首を振って、再び不敵な笑みを唇に滲ませた。
「では……沖田さん。木刀にしましょう」
「……いいのですか?」
息を呑んで躊躇する沖田は正しい。木刀は竹刀よりも遥かに硬く、真剣には及ばないが、かなりの重さがある。急所に当たれば、怪我では済まない場合もあるのだ。
しかし、光はお互いが同じくらいの手練れだと感じていたため、木刀でもいいだろうと判断したのだ。
「ええ勿論」
光の返答を聞いた瞬間、沖田はスッと眼光を鋭いものにした。
近くにあった二本の木刀の内、一本を投げて寄越す。



