新撰組のヒミツ 壱

道場の扉をガラリと開けると、光はむっとした、男性が発する独特の熱気が押し寄せてくるのを感じた。


その音のせいか、一瞬で道場は静まり返り、稽古をしていた隊士達は、入り口に立っている沖田を見て黙礼する。


「おー総司! 巡察お疲れ様!」


やたら大きい声で怒鳴った大柄な1人の隊士が、豪快に笑いながら近づいてきた。


そして、沖田の脇にいる光を見るなり、沖田が何かを言う暇を与えず、びっくりしたように声を上げる。


「って、誰だこの美少年は!?」


目の前の男は、髪を肩まで無造作に伸ばした大柄な身体は、まるで一見するとやくざ者のようである。


しかし、彼の目は少年のように無邪気で、綺麗な輝きを放っているのだ。人を疑うことをしらないような――、


否。何かが、違う。


「新入隊士か?!」


「いえ……違います」