沖田総司と名乗った美しい青年に対し、光は油断なく更に目を細めて彼を見ると、曖昧に笑みを漏らした。
――この男が“あの”沖田総司か。なるほど、驚く程に隙がない。
壬生浪士組には一から十の組があるのだが、その一の数字を戴いている組長こそが、沖田総司なのである。
彼は巷でも有名な剣客だが、まさか、このように女顔で美しい人物とは思いもよらなかった。
正直、忌み嫌われている人斬りとは一切関わりたくないというのが本音だが、それを今、馬鹿正直に言う必要はない。
「……こちらこそ、沖田さん」
と、光は柔らかな愛想笑いを浮かべて沖田の顔を見つめた。
光と同じく、長くて綺麗な髪を高い位置で一つに纏め、刀と脇差しを差している。
中性的な顔立ちに、光より頭半分程身長が高い。しかし、それを除けば、髪型といい顔の造形といい、光と沖田には共通する部分が多くある。
そして何より、手合わせどころか、刀を抜いていないにも関わらず、お互いがお互いを強者と認めていた。
――この男が“あの”沖田総司か。なるほど、驚く程に隙がない。
壬生浪士組には一から十の組があるのだが、その一の数字を戴いている組長こそが、沖田総司なのである。
彼は巷でも有名な剣客だが、まさか、このように女顔で美しい人物とは思いもよらなかった。
正直、忌み嫌われている人斬りとは一切関わりたくないというのが本音だが、それを今、馬鹿正直に言う必要はない。
「……こちらこそ、沖田さん」
と、光は柔らかな愛想笑いを浮かべて沖田の顔を見つめた。
光と同じく、長くて綺麗な髪を高い位置で一つに纏め、刀と脇差しを差している。
中性的な顔立ちに、光より頭半分程身長が高い。しかし、それを除けば、髪型といい顔の造形といい、光と沖田には共通する部分が多くある。
そして何より、手合わせどころか、刀を抜いていないにも関わらず、お互いがお互いを強者と認めていた。



