「……私を疑っているのでは?」


自然とつっけんどんで、自虐的な物言いになってしまった。


だが、光はそれが一番正しいのではないかと睨んでいる事も確かなのだ。


“あの”土方歳三である。突然降って沸いた身元不明の異分子を疑うのは、当然至極であろう。


そう思った上の発言なのだが、山南は更に思案の色合いを深めてしまう。


「……疑っているなら、貴方を監察にはしないでしょう。それに、わたし達は人手不足なのですよ……」


深刻そうに言う山南に、光が釣られるように思案顔になる。


疑っている云々は置いておくとして、人手不足だと言うのは初耳だ。


ただ、食い扶持を増やすだけの自分は、何か役に立っているのだろうか。いや、立っていないに違いない。


巡察に同行する時もあるが、それもまだ二回しかしていないのである。