泣きそうになりながら、心の優しい赤ずきんは精一杯の笑顔を作って返事をしました。


「お、おばあちゃんのお見舞いに行くのよ」


狼は美味しそうな赤ずきんを目の前に、我慢できずよだれを垂らしました。


ひいいいいいいいいっ!


そう叫びたいのを必死にこらえて、赤ずきんは尋ねます。


「狼さん、どうしてよだれを垂らしているのっ…?」


「そ、それはつまりかごの中のケーキが美味しそうだからさ」


と、ごまかした狼は後ろに回り、大きな口で赤ずきんを食べようとしました。