「やあ赤ずきんちゃん、よく来たね」 赤ずきんが立っているのとは逆を向いて、狼は深く布団をかぶりました。 「おばあちゃんの声、何だか変ね」 『あったりめーだ!こいつは狼なんだからよ!』 ベッドの中で黒狼が叫ぼうとします。 しかし狼に羽交い締めにされているせいで、上手く声が出せません。 『うっせーな!黙ってろ!』 狼は布団の中に暴言を吐き捨てたのち、赤ずきんにこう言いました。 「風邪をひいているからさ」