そんなやりとりを知るはずもなく、赤ずきんは野原にさしかかりました。 後をつけてきた狼は、周りに邪魔者がいないのを確かめてから言いました。 「お嬢さん、おばあちゃんのところに行くなら、野原の花を持っていくといいよ」 「そうだね、そうする!」 赤ずきんは、顔のわりにいい考えだなぁ、という素直な感想を胸にしまって花をつみはじめました。 狼はハアハア言いながら、花をつみはじめた赤ずきんをひとのみにしようと、襲いかかろうとします。 ところが花の蜜を集めていたみつばちを踏んだからたまりません。