純白の羽



心拍停止音が部屋中に響き、母は大泣き、俺は願った。

白羽が、天使になれますように……と……。


白羽は戦った。

恐怖と、心と、自分と……。


窓を見ると、白くて冷たい雪がふわふわと羽のように舞い落ちる。


まるで、白羽が羽ばたいた時に、羽がふわりと舞い落ちているかのように……。





──3月


彩喜は白羽の誕生日に、白羽の墓へ行った。


怖かったよな。

苦しかったよな。


もう苦しむ必要はないんだ。

安心して白羽。


コッチは俺に任せて。

そっちはお前に任せる。


忘れはしないよ。

愛しい愛しい君のこと。

大好きな君のこと。