「でも、なっ……え!?ナゼに和泉くん!?」
「楽しそうだったから」
「……お母さんが楽しいのでなくて?」
「なにを!?母はいつでも真剣なのよ!?真剣に楽しんでいるのよ!?」
「やっぱり私で楽しんでるんじゃない!!」
母は知らんぷりし始めた。
「お母さんはね、……今をすごく楽しんでほしいの……」
母は急に真剣な顔になった。
「……え?」
「あなたはみんなと違って少し辛い状況が多いから……少しでも……話したり繋がりを作ったりして、笑ってほしいのよ。楽しい思い出をたくさん作ってほしいの……」
母の顔は本当に真剣そのもので、『私のことをここまで思ってくれている』、そう強く思った。
それだけで十分嬉しくて、泣きそうになった。
「なによ、そんな顔して……あ、わかったぁ〜!この優しい母に感動を覚えたのね!?そうなのね!?」



