「居るよ、高校二年だから二歳差か。」 「知らなかった。いいなぁ、羨ましい。」 付き合って一年は経つのに、思えば家族の話をしたことが無い。友達に続いて家族って、私は一体周防くんに何を明かしてきたんだろうか。 そして、話さない私を周防くんはどんな風に思っていたんだろう。 「私も弟がいるよ。カピバラみたいな。」 「…カピバラ?」 「げっ歯目なんだよ。歯が髪の毛と同じように伸びる。しかも群れで生活しててね…。」 家の電話が鳴った。 ジャガイモを放って、手を拭いて電話の所まで行く。