驚いたらしい周防くんは手を止めて、私を見る。 「大丈夫か?」 「あ、うん。」 「どこか切ったのか?」 「違うよ、大丈夫。」 落としたジャガイモを拾って皮むきを再開。それを見た周防くんは安心したみたいで、玉ねぎを切る。 「剣道か…、全国大会なら見たことがあるかもしれない。」 「ということは、周防くんて剣道もやってたの?」 「いや、俺じゃなくて弟が。」 周防くんて弟がいるの!?という声に、笑いながら答えてくれた。