ライフ・フロム・ゼロ


「……本当にですか」

「はい。間違いございません」

「………」



本当に当たってた、6億。


頭が真っ白になって、
何も話せない。

また膝が震えはじめているのに気づいた。


「大丈夫ですか。お客様」


売り子さんが心配そうにこちらを覗き込む。


「…はい、すみません」


「驚かれるのも無理はありません…
 私もここまで大きな当たりは初めて見ました。
 本当に、本当におめでとうございます!」
 
 

「いや、ちょっとまだ現実を受け止めきれなくて…」



「そうですよね、でも、すごいことです。
 おめでとうございます!」



売り子さんはにこりと笑った。