試験が終わったとほぼ同時に、 隣の席の女子は教室を出て、帰宅したようだった。 私は結局、お礼さえきちんと言えなかった。 私は同じ状況の時、周囲が すべてライバルであるあの状況で、 同じことができるだろうか。 絶対にできないと思う。 馬鹿なやつめと心の中で笑っているのだろう。 っていうか、どうかしてる。 敵に塩を送るような真似するなんて。 お人好し、っていつなんだろうか。 それでも私はそのお人好しに救われた。