ミルクティーが運ばれてきて、 口をつけようとした瞬間、 バッグの中の携帯が振動した。 取り出して見る。 着信中の画面には、 「ヒロ」の文字。 「…もしもし?」 『あ、お前今何してる? 俺さ、用事あってこの前の ホテルの側にいるんだけど、 お前傘忘れたって言ってたろ? 取っとこうか?』 「あー、それね」 『なんだよ。高かったんだろ?』 「もう、いらなくなっちゃった」 『は?』