部屋の中は雑然としていた。 通された小さな和室に、必要最小限の祭壇があった。 そこに置かれた小さな白い箱。 そして、すましているどこか冷めた目つきの春野の遺影。 残酷な事実に胸が締めつけられた。 息ができなくなりそうになった。 「春野ちゃん……」 喉の奥から搾り出された声とともに、目から涙が溢れた。 「お前の好きなひまわり、持ってきてやったぞ」 俺は、溢れる涙をどうすることもできないまま、小さくなってしまった春野の前に、ひまわりの花束をそっと置いた。