「……なあ、増田。頼みがある」 俺はそう言って、彼女に春野の家を探してもらった。 増田は、中学時代の友人のつてを使って、すぐに見つけ出してくれた。 春野に会いに行くのが、怖くてたまらなかった。 その反面、確かめたいという思いもあった。 彼女はどんな環境にあったのか。 何を考えていたのか。 今更ながら、もっと彼女を知りたくなった。