「……そうだな」 目を伏せている増田は、俺にとって新鮮だった。 繊細に見えた。 いつもずけずけとはっきりものを言うものだから、無神経な奴だとばかり思っていた。 「大野くんさ、杉本くんと沖田さんと時々川原にいたよね」 「……ああ」 「あたし、びっくりしちゃった」 「なにが?」 「まず優等生の杉本くんと大野くんの組み合わせ。それから、笑ってる沖田さん。どれもがびっくりよ」 前半部分もかなり引っかかるが、それよりも。