「確かに気持ちいいね。こうやって風に当たっているのは」 杉本はそう言いながら、勝手に俺の隣りに腰掛け、空を仰いだ。 隣りに座っているのがかわいい女の子なら俺の気持ちも多少は晴れるだろうに。 なんで午後の昼下がりに屋上で野郎と肩を並べて座ってるんだ、俺は。 横目でちらりと杉本を見ると、微かに笑みを浮かべているように見えた。 「お前、勉強のし過ぎなんじゃねぇの?」 視線を前に戻して呟くように言うと、 「別に。普通だよ」 と、爽やかに答えた。