「ひょっとして。杉本が事故に遭った時、春野ちゃんもその場にいたの?」 すると、春野は静かにこくりと頷いた。 それを見て、納得がいったのと同時に、がっくりと肩も落ちた。 昨日の日曜、杉本と春野は一緒にいたんだ。 二人で会っていたんだ。 「……小さな女の子がね、道路に飛び出して。とっさに杉本くんがかばったの」 春野の声が震えていた。 俺はどんな言葉をかければいいのかわからず、春野の肩にそっと手を置こうとした時だった。 杉本の病室の扉が開いた。