そういえば、答案用紙を紙飛行機にして飛ばしていた時、親の話、してたよな。 『首締められちゃう』って。 俺は、もう一度春野の顔をちらりと見て、視線を窓の外に戻すと、 「そういえば。春野ちゃんの親って、厳しいの?」 と思いきって尋ねてみた。 春野は一瞬驚いた顔をしたが、 「よく覚えてたね」 と言って苦笑した。 「忘れないだろ。あんなに豪快に答案用紙を紙飛行機にして飛ばしてたら」 「そりゃそっか」 春野は、舌を少しだけ出して笑った。 そして、背もたれに体を預けて大きなため息をついた。