「今日は杉本くんと一緒じゃないんだね」 春野は俺の隣りに座り、オレンジジュースを一口飲んだ。 「そんなにしょっちゅう、一緒にいねぇよ」 頬杖をついて、窓の外の街路樹をぼんやり眺める。 「そうなんだ。仲良しなのに」 だから、仲良しじゃないんだって。 小さなため息をつきながら、 「多分、塾だろ」 と呟いた。 「そっか。杉本くん、優秀なんだもんね。やっぱりできる人は努力してるんだね」 春野はカウンターに肘をついて、少し目を伏せた。 一瞬曇った春野の表情を見て、ふと思い出した。