「いいのかよ。答案用紙捨てちゃって」
俺が言うのもどうかと思うが、あまりに豪快にいくつも紙飛行機にしてしまうので、さすがに少し心配になった。
「いいのよ。こんな点数の悪いテスト、お母さんに見せたら大変だもの」
そう言って、また一つ、飛ばしてしまった。
「お母さん、成績のこと、うるさいの?」
杉本が穏やかに尋ねると、
「首締められちゃうわ」
と、穏やかならぬことを言った。
「杉本くんと大野くんは優秀なんでしょ?M高なんだから」
そう。俺たちは一応この辺りではトップクラスの進学校に通っている。
俺は、ただ通っているだけだけど。

