何と答えればいいのか一瞬悩んでいる隙に、杉本が、
「同じクラスなんだ」
と卒なく答えていた。
「ここに来れば、また二人に会える?」
子供がおねだりをするように、無邪気に首を傾げている。
「会えるよ」
杉本は何の迷いもなく、そう答えていた。
ちょっと待て、杉本。
春野は二人に会えるかどうかを尋ねているのに、なんでお前が勝手に答えてるんだ?
まあ、確かに俺はしょっちゅうここにいるけどさ。
ん?ってことは、お前もこれからしょっちゅうここに来るつもりか?
思わずため息が漏れた。
そして、結局俺はこの日、春野とまともに会話ができずに終わってしまった。

