二人の間に再び沈黙が訪れる。 せせらぎがいやに大きく感じた。 きらきらと輝いているような川風は、杉本の髪をなびかせて遊んでいるようだった。 「春野ちゃん、元気かな」 唐突に、杉本がぽつりと呟いた。 春野という名前に、一瞬自分が動揺したのがわかった。 「さあな。あれ以来俺も会ってねぇし」 そう言うと、杉本はきらめく水面を見つめたまま、 「そうなんだ」 と言った。