何を話すでもなく、なんとなく同じ空間を共有していた。 それは思いのほか、居心地の悪いものではなかった。 川風が通り抜ける。 きらきらときらめく水面の輝きも一緒に運んでいるように思えた。 川風に杉本の髪がふわりと揺れる。 きらめく風が似合うと思った。