杉本は、ふっと苦笑すると。 「逆の立場だったら、僕もなかなか言えなかったと思うよ。だって、死にかけてる人間に、君の大切な人は死んだよって告げるなんて、とどめを刺すようなものだもん」 はっと顔を上げた。 杉本は、小さく頷いていた。 俺は、救われた。 それと同時に、ひどく後悔もした。 やはり、自分が伝えるべきだった。 それが、あのきらきらとした時間を一緒に過ごした「友達」としての、責任だったのだ。