【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~



ベッドを覗き込むようにしていた晃一郎の表情が、心配げな真面目くさったモノから、なんとも言えない脱力したモノに変化して、ついには、こらえきれないように笑いだしてしまった。


「え、何? 私、何か変なこと言った?」


「いや。やっぱり、優花なんだと思って。目覚めて最初にそこに関心がいくなんてさすがに優花だ」


語尾が微かに笑っている。


だって、金色頭って、明らかに変でしょうが?


バカにされている気がして、ぶすくれていたら、


「元気になって良かったな」


と、意外に優しい声音が降ってきて、おまけに、ポンポンと頭を叩かれ、


ついでにほっぺをムギュとつかまれて、何だか妙に照れくさくなった優花は


「う、うん、ありがとう」


とだけどうにか呟いた。


なんだか、髪の色だけじゃなくて、いつもの晃ちゃんと違う気がする。


こう何というか、いつもより、フレンドリー?