大音量の自分の叫び声でハッと我に返った少女、如月優花は、パチリと目を開けた。
見慣れた、白いクロス貼りの天井から淡いアイボリーの小花柄の壁紙へ、
その下の、パステルピンクのカーテンの隙間から柔らかい朝日が差し込む窓辺まで、ゆるゆると視線を運ぶ。
壁掛けの鳩時計の針は、午前六時を指している。
ここは、夕暮れの街中でも、夜の帳に包まれる直前の森の中でもない。
紛れもなく、自分の部屋だった。
だとすれば、あれは――、
「夢……?」
呆然とつぶやき、
まだドキドキと激しく跳ね回る鼓動を感じながら、やたらと重い体をベッドの上に引き起こした。



