何か1つでも聞いてしまえば、会いたい衝動にかられる。 そんなこと、許されないから。 「ちょっと、凄い人じゃん!」 会場に入ると、人でごった返していた。 「こんなんじゃ、知り合いに会う確率なんて少ないね」 なぜか純ちゃんは、ニヤリと笑った。 そして、笑顔で続けた。 「だけど、その中で会えたら運命だよね!」 私は不審な目で純ちゃんを見た。 誰と会うの? 運命なんて、ないんだよ。