君だけを……。




哀の返事を聞く前に、腕を引っ張って移動した。


人がいないところで、ちゃんと話しがしたかったから。



人混みの中を縫って歩いて、人がいないところで俺たちは向かい合った。


いざ向かい合ったら、何から話そうか迷ってしまう。




「哀は、あのあと誰かと付き合った?」




それが1番気になることだった。


今、付き合ってるとか言われたら、全てがなしになってしまう。



だけど哀は、首を振った。