というよりかは、一人でいられるほどの度胸はない。
渉の後についていく好美。廊下を歩き、開け放たれたままだった居間の襖を通り、あっさりと渉は行ってしまった。
好美は入らず、襖に手をかけて頭だけ出して、渉の様子を見る。
部屋にゴキブリが出たからと逃げ出した彼女と始末するために探す彼氏の図に近い。好美にとっては笑い話にも向けられない怖さに違いないが。
好美の隙間という言葉に隙間女と分かった渉は、茶箪笥と壁の隙間を見ていた。
「そ、そこじゃなくてっ、囲碁盤の下に……」
「隙間女は数ミリの隙間にしかいないはずなんですがね……。この家にはいませんが」
数センチ単位の隙間を作る囲碁盤と畳の間を渉は見て、囲碁盤を動かした。


