気配とは見えないものであり、その一部たる視線は感じるもの。
よく小説表記で気配がするなんてあるが、あれはこの視線――誰かに見られているというざわつき感ではないだろうか。
秀でた才能もない凡人たる好美にも分かる違和感。
渉には風呂場のことは全部気のせいと言われたが、好美はまだ疑っている。
“狙われている”
遠くから鷹がこちらを見つめているような。“コレ”は居間にいて見えないとこで好美を見ているのであっては、より言い知れぬ不安を覚える。
――アレが。
まさかお風呂場からこちらまで自分を追ってきたのではないかと好美は鼓動を早めた。
あり得ない話ではない。都市伝説の怪異は対処しなければ、“追い続けるモノ”が多い。


