不思議少年はかく語る



(六)


幽霊名字というのがある。


実在するか怪しい名字のことだ。


春夏秋冬(ひととせ)がこれに当てはまる。春夏秋冬、つまりは一年のことから『ひととせ』と読むのだろう。


公式には名字として載っているが、今現在、実在しているかは危うい、いわば噂にすぎない名字だ。


都市伝説とは違うものの、あるかないかと定かでなく、今もあるんではなかろうかとこうしてネットにあるのを見ると人々の噂の結果とも見える。


渉は現在、入浴中だ。やることがないために、好美は居間にあったパソコンでネットをしている。無論、持ち主から使用許可は得ている。


特に目的がないために、Googleで渉の名字について調べた。


春夏秋冬でひととせと読むとは当て字をすぎたおふざけにも見えたが、こうして“あるにはあるらしい”ことが以外だった。