不思議少年はかく語る



家人と現実的に思えばいいが、それなら最初から“背の高い何か”と思わない。

“人”じゃない“何か”なのだ。


人間は想像を働かせる生き物だ。


好美とて同じ、今、好美にあるのは“こちらを見る何か”。

決して襖が開けられたわけではないが、“何か”は廊下で好美と同じく視ているのだろう。


好美は見えない。だが、“何か”はどうか。


手に汗が出てきたところで、飽きたのか前ぶれなく“何か”は去っていった。同じようにぎしぃぎしぃとやけに耳に残る音を残して。


ほっとした瞬間、まるで何かの嫌がらせのように襖が開く。


「ひっ……!」


肩が飛び上がるような不意打ちめいた驚愕に好美は“声”を呑んだ。