田舎ではよくあることだ。どこからか貰ったというのが多発し、物置きにしまってはもったいないだろうと無意味にカレンダーを飾るのは貧乏精神というか、渉にしてみれば貰ったから使わなければと恩義から来ているのだろうが。
壁にかけられていたのはカレンダーだけでなく、時計もあった。小さな振り子時計。文字盤が五角形でお洒落さがあった。
かちかちかち、と静寂に染み渡る音。時刻は八時になろうとしていた。
――お父さんに電話した方がいいかなぁ。
まさか今日に限って帰ってくるはないだろうが、お泊まりしていることを言うべきかと迷い――いない人に言ってもとやはり止めた。
手をこたつに入れて、ヒーターに近づけ、温める。
ほんわかしていれば足音が聞こえた。


