不思議少年はかく語る



「夕食を食べる暇はなかったと思いますが」


家まで送り、その後メリーさん事件があり渉のもとまで来た時間の間に何かを食べたとは思わない渉は言った。


対し、好美は手をあげて、大げさに要らないのリアクションしてみせた。


「え、遠慮とかじゃないよっ。本当にお腹空かなくて……。食べなくても生きていけるっていうか」


「そうですか」


なぜとは問わずに渉は頷いて、立ち上がった。膝がこたつに当たったらしく、軽くこたつが動く。


「ちょっと外します」


一礼はないものの、礼儀正しい口振りで渉は居間を出ていった。


ちょっとと言うからにはすぐに戻ってくるのだろう。好美は動かず、ちらちらと居間の様子を見た。

――カレンダーが二つある。


一つは日付が大きく書かれ、一日ごとに破り捨てるタイプ。もう一つは1ヶ月の日付を丸々書いたタイプだ。